緑簾石グループ (Epidote Group) とは、ソロケイ酸塩鉱物で単斜晶系の結晶系を持つ鉱物グループの1つである。最新の定義は2006年にThomas Armbrusterを座長とする国際鉱物学連合・新鉱物命名分類委員会のチームにより造られたものである(日本からは赤坂正秀が参加している)。ただし、この時改称された三種については、ハンコック石の改名を巡り問題が発生し、従来の命名を尊重するガイドラインが設けられたことにより2015年から2016年にかけて元に戻された。また、灰簾石(Zoisite, [Ca2][Al3](Si2O7)(SiO4)O(OH))は直方晶系であるため緑簾石グループには含まれないことが確認された(多形の単斜灰簾石はグループに含まれる)。
基本的な組成は [A2][M3](Si2O7)(SiO4)O(OH) である。AにはCa、Sr、Mn2 、Y、La、Ce、Nd、Pbが入る。MにはAl、Fe2 、Fe3 、Mn2 、Mn3 、Mg、V3 が入る。Aには2つ、Mには3つの原子が入るが、複数が全て同じ原子の場合もあれば、全て違う原子の場合もある。
なお、組成中の O(OH) は鉱物によっては違う場合がある。アスカゲン石 (Askagenite-(Nd)) は O2 、ドレイス石 (Dollaseite-(Ce)) とフリストフ石 (Khristovite-(Ce)) は (OH)F となっている。
鉱物と下位分類
2022年現在では、33種類の鉱物種が緑簾石グループに属している。また、まだ承認されていない名前のない鉱物が16種類属している。
天然で存在する原子の組み合わせだけでも、鉱物種は理論上21952種類存在する。元素の組成が少し変わるだけで種類が変わることが多く、特に褐簾石グループの場合は一つの結晶に複数の鉱物が累帯構造することも多い。このため、上記の命名規約が確立される前の緑簾石グループの同定は困難であった。
緑簾石 (Epidote) が代表的な鉱物である。また、単斜灰簾石 (Clinozoisite) を代表して単斜灰簾石サブグループ (Clinozoisite subgroup) という下位の分類が存在する場合もある。
主な一覧
出典
関連項目
- 緑簾石




