ルシア・エチェバリア・デ・アステインサ(Lucía Etxebarría de Asteinza, 1966年12月7日 - )は、スペイン・バレンシア出身の著作家(小説家・随筆家・詩人)。イサール・ベナージャス(Izar Benayas)という筆名を用いることもある。ホセ・アンヘル・マニャス、ガブリエラ・ブステロなどとともにネオリアリズムの世代に位置づけられる。

経歴

両親はバスク地方のビスカヤ県ベルメオ出身であり、エチェバリアとはバスク語の姓である。1966年、ルシア・エチェバリアは7人兄弟の7番目としてバレンシア地方バレンシアで生まれた。本来、バスク語姓のエチェバリア(Etxebarria)の「i」にはアクセント記号がなく、逆にスペイン語姓のエチェバリア(Echevarría)にはアクセント記号が付くが、彼女はEtxebarríaというミススペルを好んで用いる。マドリードにある大学で哲学とジャーナリズムを学び、まずウェイトレスとして、その後雑誌『ルータ66』と『ヌエボス・メディオス』で働いた。

初めて出版した書籍は、カート・コバーンとコートニー・ラブの小説風伝記『La historia de Kurt y Courtney: aguanta esto』(1996年)である。初の小説は1997年の『Amor, curiosidad, prozac y dudas』であり、アナ・マリア・マトゥテに称賛され、「クローネン世代」(Generacion Kronen)に位置づけられた。1998年には2作目の小説『Beatriz y los cuerpos celestes』を執筆し、ナダール賞を受賞した。2000年9月にはスコットランドに引っ越し、アバディーン大学で脚本の授業を受け持つとともに、また多くのセミナーや委員会に参加した。11月にはアバディーン大学の文学名誉教授の称号を与えられている。2001年にスペインに戻ると、2001年には『De todo lo visible y lo invisible』でプリマベーラ賞を受賞した。2001年には処女小説の『Amor, -』がミゲル・サンテスマセス監督によって映画化された。2004年にはイサール・ベナージャスという筆名で、若い母親から娘への日記形式の物語『Un milagro en equilibrio』を執筆した。最終候補に残ったフェラン・トラントとの一騎討ちを制してプラネータ賞を受賞し、副賞として約60万ユーロの賞金を手にした。

これらの書籍などに加えて多くの詩も出版しており、2004年には詩集『Actos de placer y amor』でバルセロナ詩賞を受賞した。女性解放論に関する随筆集を2冊出版し、また台本作家としても活動している。エチェバリアが手掛けた映画脚本には、『アイ・ラブ・ユー・ベイビー』(共同執筆)などがある。3年かけて執筆した作品の違法PDF版がインターネット上で出回ったこともあって電子書籍には否定的であり、2011年には違法ダウンロード撲滅を訴えて断筆宣言を行ったが、この宣言によってFacebookやTwitterのアカウントが炎上した。

作品

小説

  • Amor, curiosidad, prozac y dudas (1997), (Love, Curiosity, Prozac and Doubts)
  • Beatriz y los cuerpos celestes (1998), (Beatrice and the Heavenly Bodies)
  • De todo lo visible y lo invisible (2001), (All Things Visible and Invisible)
  • Una historia de amor como otra cualquiera (2003), (A Love Story Like All the Rest)
  • Un milagro en equilibrio (2004), (A Miracle in the Balance)(紙一重の奇跡)
  • Cosmofobia (2007), (Cosmophobia)
  • "El contenido del silencio" (2012), (The Content of Silence)

伝記

  • La historia de Kurt y Courtney: aguanta esto (1996), (The Story of Kurt and Courtney: Live Through This) – カート・コバーンとコートニー・ラブの小説風伝記
  • Courtney y yo (2004), (Courtney and Me)

随筆

  • La futura Eva, La letra futura (2000), (The Future Eve, Future Writing)
  • En brazos de la mujer fetiche (2002), (In the Arms of the Fetish Woman)
  • El club de las malas madres (2009), ゴジョ・ブストスとの共書

詩集

  • Estación de Infierno (2001), (Hell Station)
  • Actos de placer y amor (2005), (Acts of Pleasure and Love)

その他

  • Nosotras que no somos como las demas (1999) (We Who Are Not Like the Rest)
  • Voces desde y hacia Palestina (2005), editor
  • Ya no sufro por amor (2006), self-help (I No Longer Suffer for Love)
  • Lo verdadero es un momento de lo falso (2010)
  • "Tu corazón no está bien de la cabeza" (2013), self-help ("Ya no sufro por amor"の続編)

受賞歴

  • 1998年 ナダール賞Beatriz y los cuerpos celestesに対して
  • 2000年 アバディーン大学 文学名誉教授
  • 2001年 プリマベーラ賞
  • 2004年 プラネータ賞Un milagro en equilibrio(紙一重の奇跡)に対して
  • 2004年 バルセロナ詩賞

脚注

外部リンク

  • Generacion Kronen

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