カルコゲン間化合物(かるこげんかんかごうぶつ)とは、カルコゲン(第16族元素)が互いに反応したものである。

カルコゲンには、極度に電気陰性度が陽性の元素も(最も陰性の高い元素である)フッ素ほど陰性の元素も含まれないが、カルコゲンの中で電気陰性度が最高のもの(酸素 = 3.44)と最低のもの(ポロニウム = 2.0)の間には大きな差がある。重いカルコゲンほど金属性が強くなる(酸素はガス状の非金属、一方ポロニウムは銀白色のポスト遷移金属)ことから、カルコゲン間化合物は共有結合、イオン結合、金属結合および半金属性と様々な結合をとる。

カルコゲン間化合物

カルコゲン間化合物の結合

上記表中下へ行くほど、共有結合 (分子)からイオン結合となる。表中横へ行くと、イオン結合から金属結合となる(両元素が類似の高電気陰性度である場合、共有結合となる。2つの元素が全く異なる電気陰性度、すなわち一元素が低くもう片方が高い場合、イオン結合となる。元素が同程度に低い電気陰性度の場合、金属結合となる) 。例えば、いちばん左の枠で(酸素との結合で)、O2とO3は純共有結合であり、SO2とSO3は極性分子となる。SeO2は、鎖状の重合体(一方向にのみ伸びる)となり、TeO2は層状の重合体(2方向二伸びる)、PoO2はイオン蛍石構造(空間重合体、三方向に伸びる)である。一番下の並びで(ポロニウムとの結合で)、PoO2とPoSはイオン結合、PoxSeyとPoxTeyは半金属、Poは金属となる。

カルコゲン間化合物要約

硫黄カルコゲナイド

  • 低酸化硫黄, SxOy X:Y比は1:2より大きい
  • 酸化二硫黄, S2O
  • 二酸化二硫黄, S2O2
  • 一酸化硫黄, SO
  • 二酸化硫黄, SO2
  • 三酸化硫黄, SO3
  • 高酸化硫黄, SOx x>3

セレンカルコゲナイド

  • 二酸化セレン, SeO2
  • 三酸化セレン, SeO3
  • セレンと硫黄の様々な濃度の半金属結合"合金", SexSy
    • "硫化セレン", SeS
    • "二硫化セレン", SeS2,実際には環状-Se3S5と環状-Se2S6の2:1混合物
    • "三硫化セレン", SeS3, 実際には環状の二量体Se2S6

テルルカルコゲナイド

  • 一酸化テルル, TeO (不安定な遷移体)
  • 二酸化テルル, TeO2
  • 三酸化テルル, TeO3
  • 五硫化ジテルル, Te2O5
  • テルルと硫黄の様々な濃度の半金属結合"合金", TexSy
  • テルルとセレンの様々な濃度の半金属結合"合金", TexSey

ポロニウムカルコゲナイド

  • 一酸化ポロニウム, PoO
  • 二酸化ポロニウム, PoO2
  • 三酸化ポロニウム, PoO3
  • 硫化ポロニウム, PoS
  • ポロニウムとセレンの様々な濃度の半金属結合"合金", PoxSey
  • ポロニウムとテルルの様々な濃度の半金属結合"合金", PoxTey

関連項目

  • ハロゲン間化合物
  • プニクトゲン間化合物

Notes

参考文献


コラーゲンサイエンス Modere

カルコゲナイド系層状物質の最新研究《普及版》 新材料・新素材

遷移金属ダイカルコゲナイド:三次元と二次元の両方の側面を持つ物質 はじめよう固体の科学

コラーゲンの種類 株式会社高研

コラーゲン材料|研究開発|多木化学株式会社